2011年12月27日火曜日

『不良老人』の輝かしくも繊細さのある美しいピアノに、耳傾けるゆとりが欲しい。 - 《名曲のこよみ》 12月27日、シューラ・チェルカスキーの命日。

ひっそりと生誕100年を迎えていた神童がいた。『ラフマニノフを思わせる』との評判を得て、雄大でロマンティックな演奏で魅了したシューラ・チェルカスキーは1911年に生まれ、1995年12月27日に没した。

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晩年は亡くなるまで来日して演奏会を開いたのだけれども、没して16年。話題に上らないのは寂しいものです。(写真の左側がチェルカスキー、右端はエミール・ギレリス

2011年12月21日水曜日

独DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 730 [ブルーリングラベル] ナタン・ミルシテイン(P)、J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ No.2、3

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【器楽曲】2011年12月21日現在、販売中。オーダーはこちらへ http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e105163.html

  • レーベル: 独 DEUTSCHE GRAMMOPHON
  • レコード番号: 2530 730
  • オリジナリティ: ブルーリング・ラベル、チューリップ・ラベルでの発売はされていません

曲目

  • J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ No.2、No.3

演奏

  • ヴァイオリン:ナタン・ミルシテイン

2011年12月12日月曜日

大人気盤入荷 購入希望はこちらへ ジャクリーヌ・デュ=プレのドヴォルザーク:チェロ協奏曲(英EMI ASD 2751)

ドヴォルザークの《チェロ協奏曲》は、19世紀から20世紀へとクラシック音楽の発展を橋架けた名曲です。クラシック音楽の作品群にはチェロ協奏曲がベースにあり、バロック時代から古典派にかけて協奏曲の作曲家はチェロ協奏曲の作品が占める割合が多い。それは仕えていた貴族の主が主にチェロの奏者であったからです。

ですが、主の嗜好、或いは技量にあわせて作曲されていたので同曲異版といった印象は否めない。現在のチェリストが嘆くのは仕方の無いことでしょう。

しかし、かなりのトライがなされ尽くしていたので以降の作曲家は《チェロ協奏曲》を多く書いていません。そうして19世紀が終わろうという頃になってドヴォルザークが《チェロ協奏曲》の決定版を書きました。これを聴いてブラームスが、「チェロでこんな素晴らしい協奏曲がまだ作曲できる余地があったとは、不覚だった」と驚嘆。20世紀のクラシック音楽は、このドヴォルザークの《チェロ協奏曲》に触発されたウォルトンの作品で幕開くのでした。

これまでドヴォルザークの《チェロ協奏曲》の推薦盤を尋ねられた時には、ジャクリーヌ・デュ=プレの演奏盤を奨めてきました。ただし、『音の印象は、英オリジナル盤を聴いてのもので、CDを聴いての感想ではありません。』と一言は外せない。

出物は争奪戦になるレコードの代表。このレコードを2年ぶりに入荷です。関心のある方はコメントください。 写真は2年前に紹介した英ANGEL盤ですが、今回「英EMI ASD 2751」盤を入手できました。

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アマデウスクラシックス! 稀少アナログ、オリジナル盤通販サイト:SOLDOUT★ドヴォルザーク:チェロ協奏曲/デュプレ via amadeusclassics.otemo-yan.net

2011年12月10日土曜日

Win 10 albums by Lise de la Salle! / リセ・デ・ラ・サールで10枚のアルバムを当てよう!・・・に、当選しました。

リセ・デ・ラ・サールさんは注目してきたピアニスト。12歳の天才ピアニストデビューだったからテクニックは比を打つところは無いのは当然ながら、その個性は“エキゾティックな妖艶”さのあるピアニズムです。naiveからリリースされたデビューアルバムは、カバーの写真は12歳とは信じられない大人の色気を感じさせていました。エロティックでカバーガールにしたいピアニストという素敵さは、ますます濃厚さをましています。演奏に立ち会うだけで、《奇跡のピアニスト》などと説明くどいものは入らないって存在。

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medici.tv でのインターネット生中継はノーマークだったけれども、コンサートの放送をFacebookで知ることが出来たのは幸運でした。加えてクイズに当たるとCDがプレゼントされるというのでトライ。新しいCDのプログラムに沿ってのコンサートが、クイズの答えのヒントとなっていました。

《大好評》レコード好き、ジャズがなければ生きられない人たちの必読書: A Guide for Identifying Original Pressings - ブルーノートレコード・オリジナル プレッシングガイド http://amzn.to/t1O67I

在庫切れが続いたり、中古本がプレミア価格がついたりしていつのが“既に”幻の名著になる予感がする。2011年12月10日現在は新品を購入可能。『ブルーノートレコード・オリジナル プレッシングガイド』日本語版 http://amzn.to/t1O67I

*****

テレビのお宝鑑定団で、ブルーノートのレコードに20万の値段がついたのが数年前にオリジナル盤への日本人の関心に火をつけたようです。中でも『クール・ストラッティン http://amzn.to/sAtm6P 』だったら50万円には成るんじゃないかと、今では言われています。しかし、これはオリジナル盤=初版盤で在るので念の為。それに高額なオリジナル盤は投機目的ではなく、愛聴することをお願いします。

と、いうのも。未開封盤を大事にとってらっしゃる事。ショップから届いたままヴィニールに包まれたままのレコードは、高温多湿の日本の住生活には耐えられないものです。見た目は綺麗でもレコード溝の奥深くに埃がこびりついていたりして、レコード表面のスリキズ以上にやっかいです。
さて、ブルーノートはジャズ音楽の専門レーベルですが、ルディ・ヴァン・ゲルダーのシンプルなセッティングでの録音はクラシック音楽ファンも大好き。クラシックのヨーロッパ盤やアメリカ盤を輸入販売していて、なかでも優秀録音盤を専門としていたのですが常連のお客様からオリジナル盤の見分け方を話しかけられたのがオリジナル盤、初期盤を取り扱うようになったきっかけです。

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ブルーノートのレコードラベルでの初版盤か、再プレス盤かは観るポイントがわかりやすい。白地に青のプリント。実際はこの青色が微妙に違うので、数をこなすことが真贋の見極めに重要なのですが、(1)に住所が入ります。ブルーノートは最初レキシントン・アヴェニューにあり、評判になると西63番街に移ります。それでレキシントン時代にプレスしていたレコードは、この部分が「West 63rdStreet,NYC」と変わり。前者を『レキシントン・ラベル』、後者を『ニューヨークラベル』と呼び分けをしています。印刷の書体も変わるので、書かれている綴りだけでは判定しにくいのですが。
(2)N.Y.C. このニューヨーク・シティの表記に、それぞれにドットがあったり無かったり。(3)はラベルにある溝。『溝あり』、『溝なし(普通はこちらの書き方はしないものですが、ブルーノートは溝のある期間が明確なので表記してある場合があります)』。『深溝』、『浅溝』と書いてある場合もあります。

2011年12月9日金曜日

Across The Universe 2011 - THE BEATLES 来日45年 - 今年の J-POP ベストセレクション

サッカーJリーグのロアッソが、リーグ成績が良くなかったと熊本市長の幸山さん達に『来期取り戻す』と約束の挨拶をした。2011年には熊本市は政令指定都市になり。市役所は区役所と変わる。サッカー人気が盛り返せば、チームの覇気にも応援となるだろう。


そうした事との関わりもあるのか、一方でKKWINGで韓流ポップスのコンサート・イヴェントを行うようにしたいという動きもあるとか。今朝の熊日新聞で知った2つのニュースは、根っこが同じような気がします。

バス路線も増えるのですが、新しく区役所に昇格する施設との便宜を良くするためにと言うものだ。地区地区の新しい企画がこれから増えるのでしょうね。
夏にはアスペクタでカントリー・ゴールドが行われています。イヴェントとスポーツのために出来た場所ではあったものの、カントリーゴールドのイヴェントで荒れずに維持だけは出来ているらしい。ただ老朽化は懸念されています。たくさんの人を収容するスペースは求められては居るのでしょう。

Cover

2011年12月8日木曜日

ゴージャスでエキゾティックなリスト、リーザ・デ・ラ・サールのリサイタルがインターネット生中継。

medici.tv で、リーザ・デ・ラ・サール(wiki: リーズ・ドゥ・ラ・サール)のリスト・リサイタルをインターネット生中継。

14歳でデビューして、すぐに来日してサントリー・ホールを沸かせた天才少女は、22歳。エキゾティックな魅力が取り巻いている。演奏を聴き進むうちにそうしたミストを纏う印象です。今年はリスト・イヤーで興味深い演奏にいくつかで合いましたが、ラン・ラン、ユンディ・リーとは違ったパフォーマンスよりも(変な表現かもしれないけど)ゴージャスな熟成を期待させる変化が出てきました。
最新アルバムの流れに沿ったプログラムで、前半はリストの渋い選曲。後半はリストが編曲した華やかな選曲になっています。

前半

  1. フランツ・リスト:Funérailles – Harmonies poétiques et religieuses, S 173, No. 7
  2. フランツ・リスト:Ballade in B minor, S. 171
  3. フランツ・リスト:Après une lecture de Dante: Fantasia quasi una sonata, S. 161/7
  4. フランツ・リスト:Nuages gris, S. 199

後半

  1. ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト / フランツ・リスト:Lacrimosa
  2. ロバート・シューマン / フランツ・リスト:Widmung (Liebeslied) S. 566
  3. ロバート・シューマン / フランツ・リスト:Frühlingsnacht, S. 568
  4. フランツ・シューベルト / フランツ・リスト:Ständchen, S. 560/7
  5. リヒャルト・ワーグナー / フランツ・リスト:Liebestod from Tristan und Isolde

クイズに答えて、リーザの最新リスト・アルバムCDプレゼントに応募しよう!

現在、最も個性派の美人ピアニスト、リーズ・デ・ラ・サールのCDプレゼントの案内。クイズに答えてCDをゲットしよう。

午前4時から medici.tv でインターネット生中継される、ルーヴル美術館の講堂からのライブで、クイズのヒントを確認してください!

プレゼントへの応募は medici.tv のブログをチェック ( http://blogs.medici.tv/2011/12/concours-lise-de-la-salle-dix-disques-a-gagner/ ) してメールで応募。リーズの最新アルバムが、ナイーブ・レーベルからプレゼントされます。

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クイズの問題はこちら

Questions
  1. Franz Liszt wrote gorgeous transcriptions for piano. Lise de la Salle performs some of them: can you name the composers whose works are arrangements by Franz Liszt on the album?
  2. Which piece by Liszt, and appearing on the album, was written after a famous Italian poet of the Middle Ages?
  3. Which Wagner opera was conducted by Franz Liszt for its premiere in 1850?
Win 10 albums by Lise de la Salle! | Blog medici.tv via blogs.medici.tv

2011年12月7日水曜日

米ANGEL 35129 [英プレス、最初期の棒付きジャケット、溝あり] ヌヴー(Vn),ズスキント指揮フィルハーモニア管/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、スーク:4つの小品/スタンパー 1N-1N

ジネット・ヌヴーと聞けば、クラシックのレコードに関心のあるものはチェックせずにはおられない。お財布具合と折り合いがつくなら、どうしても買って聴いておきたくなるものです。このレコードと“某氏”所有のレコードとの聞き比べに立ち会いました。どちらも同じ 1N スタンパーですが独奏ヴァイオリンが浮きだって居たのがこちらのレコード。“某氏”所有のレコードではオーケストラが奥に広がるという、はっきりと聞こえ方が違うという不思議な体験でした。

要因は分からないのですが、ヌヴーがソロを奏でてオーケストラが華やいでくるまでの間にある雑音感はどちらのレコードも同じでした。盤面に傷など無いので、音源自体にあったものだろうかとおもんばかる限りです。ジャケットは棒付きで、最初期版。

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1621

  • レーベル: 米 ANGEL
  • レコード番号: 35129
  • オリジナリティ: レッド・シルヴァー・ラベル、ミゾ有り、スタンパー 1N-1N

曲目

  1. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
  2. スーク:4つの小品

 

演奏

  • ヴァイオリン: ジネット・ヌヴー
  • 指揮: ワルター・ズスキント
  • 管弦楽: フィルハーモニア管弦楽団

英DECCA SXL-6528 [ED4] デ・ラローチャ(pf)、コミッシォーナ指揮スイス・ロマンド管、ファリャ:スペインの庭の夜、ショパン:ピアノ協奏曲No.2/1stラベル http://wp.me/p1ZYom-r9

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1683

  • レーベル:英 DECCA
  • レコード番号:SXL - 6528
  • オリジナリティ:ED-4、1stラベル

曲目

  1. ファリャ:スペインの庭の夜
  2. ショパン:ピアノ協奏曲No.2

演奏

  • ピアノ:アリシア・デ・ラローチャ
  • 指揮:セルジュ・コミッシォーナ
  • 管弦楽:スイス・ロマンド管弦楽団

英DECCA SXL-6797 [スモールラベル] ルービンシュタイン(pf)、メータ指揮イスラエル・フィル、ブラームス:ピアノ協奏曲No.1/1stラベル http://wp.me/p1ZYom-r6

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1680

  • レーベル:英 DECCA
  • レコード番号:SXL - 6797
  • オリジナリティ:スモール・ラベル、1stラベル

曲目ブラームス:ピアノ協奏曲 No.1

演奏

  • ピアノ:アルトゥール・ルービンシュタイン
  • 指揮:ズービン・メータ
  • 管弦楽:イスラエル・フィル

独DECCA SKB 25060-D/1-4 [ブルーラベル] グルダ(P),シュタイン指揮ウィーン・フィル、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集/1stラベル、4枚組 http://wp.me/p1ZYom-q8

ドイツDECCAからのリリース。英DECCAのスタンパーを使っています。この『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』4枚組BOXが、英国盤が存在するかは未確認です。このドイツ盤が唯一、わたしの知りうる初版BOXです。再生音は英DECCAのレコードを思わせる音質です。

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1620

  • レーベル: 独 DECCA
  • レコード番号: SKB 25060-D/1-4
  • オリジナリティ: ブルー・ラベル、1stラベル

曲目 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番〜第5番 全曲

 

演奏

  • ピアノ: フリードリッヒ・グルダ
  • 指揮: ホルスト・シュタイン
  • 管弦楽: ウィーン・フィル

米RCA LSC-2314 [LIVINGSTEREO シェードドッグラベル] ハイフェッツ(Vn),ミュンシュ指揮ボストン響、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲No.2/1stラベル

話題にCDがなったハイフェッツの初版盤。メンデルスゾーンの《ヴァイオリン協奏曲》は、プロコフィエフの《ヴァイオリン協奏曲No.2》との組み合わせがリヴィングステレオのオリジナルです。オリジナル・ジャケット仕様をアピールした紙ジャケ仕様のCDで、『印刷が間違っている』というクレームがショップにありました。CDを再生すると聴けるのが、メンデルスゾーンとベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲》だった。

その人がプロコフィエフの《ヴァイオリン協奏曲No.2》が聴きたくて購入したのかまでは、あいにく把握できませんでしたけどハイフェッツのメンデルスゾーンは、日本盤のLPではベートーヴェンとの組み合わせが一般的だったので、そうした誤解を伴ったのでしょう。No.1の評判のあるプロコフィエフの録音だけに、日本のレコード会社も罪作りなことをしてしまったものです。

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1619

  • レーベル: 米 RCA
  • レコード番号: LSC-2314
  • オリジナリティ: シェード・ドッグ・ラベル、1stラベル

曲目

  1. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
  2. プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲No.2 

 

演奏

  • ヴァイオリン: ヤッシャ・ハイフェッツ
  • 指揮: シャルル・ミュンシュ
  • 管弦楽: ボストン交響楽団

独DEUTSCHE GRAMMOPHON 2530 548 [ブルーリングラベル] グルダ(P),アバド指揮ウィーン・フィル、モーツァルト:ピアノ協奏曲 No.20、21/1stラベル http://wp.me/p1ZYom-q6

アナログLPレコードの最盛期。日本でもオイルショックがあったりで、欧米盤に比べて日本盤に陰りが出た時代がありました。レコード自体を薄くすることで工夫した日本盤に対して、欧米でレコードはショップ買い取りだったために再生利用に使われていたのはオーダーの無かったレコード。新しい材質が工夫されていた時期でもありました。パチ音を傷だと思う向きも出てきたので、静電防止剤などの添付も目だったのもこの頃からでした。

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1618

  • レーベル:独 DEUTSCHE GRAMMOPHON
  • レコード番号:2530 548
  • オリジナリティ: ブルー・リング・ラベル、 1stラベル

曲目:モーツァルト:ピアノ協奏曲 No.20,No.21

演奏

  • ピアノ: フリードリッヒ・グルダ
  • 指揮: クラウディオ・アバド
  • 管弦楽: ウィーン・フィル

米COLUMBIA MS-6201 [6EYEラベル、溝あり] ジノ・フランチェスカッティ(Vn)/ラロ:スペイン交響曲、ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲/スタンパー 1A-1A http://wp.me/p1ZYom-q5

B面の《ラロ:スペイン交響曲》がミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィル、A面の《ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲》がオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団との演奏。ミトロプーロスとの《ラロ》はフィリップス盤でも聴くことが出来ますが、ブラームスやチャイコフスキーに刺激をあたえた《スペイン交響曲》から、およそ半世紀後の《ヴァイオリン協奏曲》はジャズ音楽、ラテン音楽からの刺激を受けて出来た曲。戦争中の英国空軍の英雄ぶりを描いた映画音楽など、イギリスの空白の時間を埋める音楽を意欲的に作曲したウォルトンとの組み合わせというのが面白い。こちらはバーンスタインとの《シベリウス:ヴァイオリン協奏曲》との組み合わせ(SBRG 72351)で後に発売されたレコードもあります。本盤は 6EYE ラベルの初版。

ウォルトンの《ヴァイオリン協奏曲》は名手、ハイフェッツの委嘱で作曲されました。

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【協奏曲】2011年12月7日現在、販売中。オーダーはこちらhttp://store.amadeusclassics.com/?p=1617

  • レーベル: 米 COLUMBIA
  • レコード番号: MS-6201
  • オリジナリティ: 6EYEラベル、ミゾ有、1stラベル、スタンパー 1A-1A

曲目 

  1. ラロ:スペイン交響曲
  2. ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲

 

演奏

  • ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ

(ラロ)

  • 指揮:ミトロプーロス
  • 管弦楽:ニューヨーク・フィル

(ウォルトン)

  • 指揮:オーマンディ
  • 管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団

2011年12月6日火曜日

気ままにクラシック・ガイド ワーグナー作曲、歌劇《ローエングリン》第3幕への前奏曲 - http://amzn.to/vlR2Lb

この曲はローエングリンとエルザとが、結婚する第3幕の開幕の前に演奏される。今では結婚式の実用音楽になっている《婚礼の合唱》は、この曲が終わると直ちに歌われるのだが、そうした喜びの幕の上がる前奏の音楽だけあって、曲は明るく力強く爽快である。全合奏によって爆発的な歓喜を表すように始まるが、ホルンとトロンボーンで吹かれる主題はいかにもワーグナー的だ。

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ワーグナーの管弦楽曲集を聴く時の、まずは規範となる録音盤。クレンペラーとフィルハーモニア管弦楽団は、ワーグナーの前奏曲やオーケストラ・ピースで4枚のLPレコードを録音、発売して、これは大変なセールスを飾っています。録音期間はそれぞれ一年ほどのインターヴァルがあったのですが出来上がった音楽の水準は、すべての置いて完璧。セットにしたボックスセットも今でも評判が良い物です。

《第3幕への前奏曲》は、演奏時間3分とすっきりとまとめられています。前奏曲から《婚礼の合唱》へ切れ目無く音楽は進行するので、オーケストラで演奏する時は終わらせ方は様々、トスカニーニは全曲の終わりにつなげていますし、ホルスト・シュタインは《婚礼の合唱》の出だしも含めた1番長い演奏を聴かせます。

2011年12月3日土曜日

仏CONCERT HALL SMS-2231 [レッドラベル] シューリヒト指揮フランクフルト放送響、J.S.バッハ:管弦楽組曲 No.2、No.3/1stラベル http://wp.me/p1ZYom-pY

戦争中にメンバーの出兵で楽団員が不足したオーケストラ。英国ではバルビローリらの大英断で、女性奏者を多く採用してオーケストラを立て直した。世界一のウィーン・フィルはユダヤ人演奏家が渡米した者、収容所で無くなったものが多くオーケストラの音はだらけきっていた。これを立て直したのがカール・シューリヒトで、『偉大な老紳士』と楽団員に慕われるまでになります。

シューリヒトの音楽は、明瞭できびきびとしていて戦争の傷跡など何のその、未来へ希望を求めるような光彩放つ美しさで大震災のあった今年、シューリヒトの残したレコードを聴いて復興への英気になると信じたい。

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【バロック】 2011年12月3日現在、販売中。オーダーはこちらへ >> http://store.amadeusclassics.com/?p=1610

  • レーベル:仏 CONCERT HALL
  • レコード番号:SMS - 2231
  • オリジナリティ: レッド・ラベル、1stラベル

曲目:J.S.バッハ:管弦楽組曲 No.2,No.3

演奏

  • 指揮: カール・シューリヒト
  • 管弦楽: フランクフルト放送交響楽団

米LONDON CS-6044 [FFSS溝ありラージラベル]クロイツィンガー(Vn)、ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管/ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》/オリジナル http://wp.me/p1ZYom-pT

デッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) =高音質ステレオ録音によるレコードです。アメリカではクラシック音楽やイージーリスニングと言ったアコースティックな音楽は米LONDONレーベルとして発売。CD時代になってDECCA音源の廉価盤がロンドンレーベルとして発売されるようになって印象は良くないようですが、レコード盤は英国DECCAでプレスしたものを輸入してジャケットだけをアメリカ仕様で発売していました。高級志向でゴージャスなジャケットデザインの印象が強いです。

ジャズのレコードでヨーロッパに原盤を持っているレーベルに多く見られるのが、初版のジャケットは裏側の解説文のインクが独特の青いインクを使っているので『ブルーバック』と言われています。

ヴィヴァルディの《四季》は、イ・ムジチの演奏が印象深く。イ・ムジチが来日する度に日本側からの要望で、いつも《四季》を演奏することに閉口していたという話もあるほど。ちょうどステレオ最盛期が一般家庭で当たり前になっていった時代で、イ・ムジチの《四季》の日本盤には楽譜がおまけとしてついていたことから購入をそれで決めたという音楽通の昔話は多いようです。このミュンヒンガー盤がイ・ムジチに先立つステレオ録音で最初のレコード。レコード史を飾るに欠かせない録音です。ジャケット表面はコーティングされていないので、写真の発色が冴え無い出来になるのが口惜しいです。

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【バロック】2011年12月3日現在、販売中。オーダーはこちらへ >> http://store.amadeusclassics.com/?p=1605

  • レーベル:米 LONDON
  • レコード番号:CS - 6044
  • オリジナリティ: ffssラージ・ラベル、ミゾ有り、1stラベル、オリジナル

曲目:ヴィヴァルディ:四季

演奏

  • クロイツィンガー(ヴァイオリン)
  • 指揮: カール・ミュンヒンガー
  • 管弦楽: シュトゥットガルト室内管弦楽団

2011年11月30日水曜日

11月28日、ピアノ協奏曲第5番《皇帝》初演 - 気ままにクラシック・エッセイ《運命交響曲》

1811年11月28日。そう、200年前の昨日は、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲《皇帝》が初演された日でしたね。イントロはピアノが華やかなオクターヴのパッセージを聴かせて、オーケストラがそれに追従するという印象的なもので、十中八九、すぐに答えが分かってしまうと言うものでイントロ当てクイズには肩慣らしに良い。
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月曜日のNHK-FM「気ままにクラシック」では同じベートーヴェンの「交響曲第5番ハ短調《運命》」がクイズになっていました。この《運命》。日本など極一部(と言っても広範だけど)の通称で、本来は名前は無い。だから正確には「交響曲第5番ハ短調」で良いのだけど、「交響曲第6番《田園》」と同じ日に初演されていて、《田園》が先に演奏されています。ベートーヴェンにとっては、その順番はどちらが先でも気にしてはいなかったのではないかな。